中学生のスマホの所持率はどのくらい? 主な利用内容は?

中学生のスマホの所持率はどのくらい? 主な利用内容は?

中学生になるとスマホの所持率はぐんと上がります。実際には、どれくらいの中学生がスマホを持っていて、何に使っているのでしょうか。今回は、中学生のスマホの所持率やその利用内容、また中学生にスマホを持たせる際に保護者が押さえておきたいポイントについて解説します。

中学生のスマホ所持率は7割程度

東京都の「家庭における青少年の携帯電話・スマートフォン等の利用等に関する調査(2020年4月6日発表)」によると、令和元年度における東京都内の中学生のスマホ所有率は75.4%です。ただし、スマホの所持率は地域によって差があるとされており、地方都市ではもう少し下がる傾向にあるようです。

中学生のスマホの所持率は年々増加し続けていましたが、令和元年は前年比がほぼ横ばいとなっています。

中学生のスマホの主な利用内容

中学生がスマホをどんなことに利用しているかは、内閣府の「令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」が参考になります。

同調査によると、中学生のスマホでのインターネット利用の内、最も多い利用内容は、「動画視聴」で80.5%です。また僅差で「コミュニケーション」の80.3%が追っています。さらに「ゲーム」の70.6%、「音楽視聴」の66.2%、「情報検索」の58.6%が続きます。

動画視聴は、現在はYouTubeが中心でしょう。コミュニケーションではLINEのほか、Twitter、Facebook、Instagram、TikTok などのSNSも人気があると考えられます。東京都の調査では、利用率はわずかですが、Zenly、ワッツアップ、メッセージ+、ハングアウト、タイムライン、カカオトーク、WeChatなどのアプリやサービスの名前も挙げられています。

また、平日のインターネットの平均的な利用時間は、中学生で2時間以上3時間以内が26.0%、3時間以上の回答だった人も33.7%います。

保護者が中学生の子供にスマホを持たせたきっかけ

保護者が中学生にスマホを持たせるきっかけとしては以下が挙げられます。

子供と連絡を取るための手段

中学生になると行動範囲が広くなってくるので、いつでも子供と連絡をとれる手段としてスマホを持たせたいと考える保護者が多いようです。LINEなどのコミュニケーションアプリは家族間でも使われており、日常的な連絡ツールとしてだけではなく、緊急時や災害時の連絡手段としてもスマホは役に立ちます。

部活・塾・習い事で帰りが遅い

上記とも関連しますが、中学生は部活や塾、習い事などで帰りが遅くなることが多いため、連絡をとりやすくするためにスマホを持たせているケースもあります。

スマホのGPS機能を利用すれば子供の位置情報を把握できるようにもなりますし、特定の場所に出入りしたり、家に帰ってWi-Fiに接続したりしたときに通知が来るように設定できるサービスもあります。こうした機能を使いたいと考えて、子供にスマホを持たせることを考える保護者もいるようです。

子供の友人の多くがスマホを持っているから

子供の側からの要望としては、クラスの友人などがスマホを持ち始めたため、コミュニケーションツールとしてスマホが欲しくなるというケースが多いでしょう。LINEが非常に多くの中学生に利用されているのもそのことを裏付けています。保護者もその状況に理解を示し、子供にスマホを持たせているケースもあります。

子供が動画を見たりゲームをしたりしたいと考えて

コミュニケーション以外にも、動画を見たい、ゲームをやりたい、音楽を聴きたい、インターネットでいろいろなことを調べたいといった理由でスマホを欲しがる子供も数多くいます。今やスマホはエンターテイメントを楽しむことや情報収集すること、ニュースに触れたり学習アプリで勉強したりとあらゆることができるので、スマホを上手に活用してほしいと考えて、スマホを持たせる保護者もいるようです。

中学生の子供にスマホを持たせる保護者の心配事

中学生の約7割がスマホを持つ時代、そのことによって子供がさまざまな影響を受けることが問題視されることもあります。保護者にしてみればスマホを与えれば心配事も増えることになり、そのためにスマホを持たせるかどうか迷っているという方もいるようです。

例えば、スマホの使いすぎによる生活リズムの乱れや、成績が下がるといったことが懸念されます。また、SNSを使っていれば、知らない人とのやりとりがきっかけでトラブルに巻き込まれるリスクが生じます。突然、誹謗中傷を受けたり、逆にそうした発言を発する側になったりしてしまうケースも考えられます。同じように、コミュニケーションツールを使った仲間はずれやいじめも、被害者になることもあれば加害者になることもあり得ます。

ほかにも有害サイトの閲覧、ゲームなどでの行き過ぎた課金、ネットショッピングをしたりフリマアプリを使ったりすることでの散財、ネット詐欺に引っ掛かることなども心配です。

ただし、こうした心配事に対しては、スマホの利用時間や一部機能の制限、有害サイト・アプリのフィルタリングを行うことができるペアレンタルコントロールを適切に施すことで対策できます。OSによる端末の設定や通信会社が提供するサービスを上手に活用すれば、子供に安全にスマホを使える環境を作り出すことが可能だといえるでしょう。

スマホには現在位置の確認や連絡手段など多くのメリットがあり、中学生のスマホ所持率はすでに非常に高い状態です。あなたのお子さんにもスマホを持たせることを検討してみてはいかがでしょうか。