トーンモバイルは、さまざまな企業とコラボレートし、スマホの新しい機能やサービスを開発する「Co-Development Project」をスタートしています。その第1弾として、おもに子育て世代のママたちから高い支持を集める女性誌「VERY」との共同開発プロジェクトを開始しました。
2017年2月21日に行われた発表会では、トーンモバイル株式会社 代表取締役社長CEOの石田宏樹氏とVERY編集長の今尾朝子氏が対談。今回は、そのトークショーの模様をレポートします。
——トーンモバイルとVERYのコラボレーションはどのように始まったのでしょうか?
石田:以前、今尾編集長から、「ママもトーンモバイルを使ったほうがいいんですか?」と聞かれたことがありました。私が「ママはiPhoneでもいいですよ」という話をしたら、「それならぜひ共同開発をしましょう」ということに。それが今回のプロジェクトの始まりです。
今尾:VERY読者のママたちは、やっぱりたくさんの写真を撮りたいんですね。写真を撮るこだわりもあります。そういう意味でiPhoneの人気は高い。一方で不満もあります。世の中のママが本当にほしいスマホってなんだろうと考えたときに、そうしたVERYのママたちの気持ちをわかってくれる石田さんと一緒に開発していければおもしろいなと思ったんです。
スマホにおける、子どもとママの間に立ちはだかる壁
——VERY読者のママたちの子どもは、まさにスマホネイティブ世代。読者の声として、そうしたスマホネイティブの子どもと何かギャップを感じるという声はあるのでしょうか?
今尾:乳幼児や小さい子どものいるママたちは子どもが泣き止まない時に、携帯でYouTubeを見せていることが多いそうなんですね。たとえばレストランに行った時など、泣かれると困りますよね。本当は見せたくない気持ちはあるけど、見せないと泣き止まないので仕方なく……
そんなふうに日々葛藤しながらママたちは恐る恐るスマホのルールを決めているケースが多いようです。
今では赤ちゃんのうちからスマホとの関わりが始まりますが、そこの部分って本当に難しいので答えがないですよね。
石田:親が触らせている時と、子どもが自分で触り始めるタイミングには、ギャップがありますよね。子どもにいつからスマホを持たせるかはとても難しい問題ですが、今回のプロジェクトを通してそうしたスマホと子どもの距離感に関する問題を一緒に解決できればと思っています。
たとえば僕らの専門分野から言うと、子どもがコンピューターと触れ合うのは教育のひとつになります。スマホも同じで、使い方次第で発育に合わせた知育の部分を担うことができます。トーンモバイルとしては、そうした子どもたちにとっての教育という面と同時に、親側の教育という面も一緒に考えていければと思っています。
今回のVERYさんとのコラボでは、単純にサービスを作るだけではなくて、そもそも親と子の両方にとっていい教育となるスマホとは何か。そこまで踏み込んでやらせていただけると面白いんじゃないでしょうか。
今尾:そうですね。親と子どものスマホの教育の部分は、私たちも興味津々です。
安さとクオリティの高さの両方を実現 “ノック”と“GPS”の精度の良さは人気絶大
今尾:最近の小学生は小さい時からスマホに慣れているので、スマホの操作も簡単にできちゃうんですよね。
一方で意外にママたちはわからないことが多い。たとえばLINEの交換。VERY読者のママたちにインタビューをすると、得意な人とそうでない人で大きく分かれます。苦手な人にとっては、LINEなどのSNSツールは恐いもの。スマホの店頭に行くだけでもいやなものなんです。
そうしたスマホの取り扱いそのものが苦手なママを前提に、わからないことをむしろ武器にして、石田さんにいろいろな球を投げていきたいなあと思っています。
石田:トーンモバイルとVERYの取り組みがスタートして、読者の方にトーンモバイルのスマホを少しずつ使っていただくようになりましたが、どのような感想や意見がありましたか?
今尾:特に喜ばれたのはノック※とGPSの精度の高さですね。言い変えれば、ママたちが本当に欲しい機能はその2つなんですね。
たとえば、一部の小学校で GPS端末を任意でもたせるサービスがあります。よく子どもの塾通いなどの習い事が始まったりしたら持たせる親が多いのですが、料金が月に約2,000円もするんですね。でもあまりGPSは正確ではないし、そもそも2,000円もかける価値があるのかという疑問が多く聞かれました。
それに比べてトーンモバイルは月額1,000円(税抜)ということをお聞きし、まずその安さにびっくりしましたね。
今はまだ子どもが赤ちゃんの方でもいずれは子どもにスマホを持たせる日が来るでしょう。さらに1人から2人、3人と子どもが増えていく可能性もあります。今後のことを考えたらやっぱり安いことは、間違いなく大きな魅力だと思いますね。
※ノック:ノックとは、トーンモバイル独特の「エアノック機能」というもの。「エアノック」アプリを起動して、ドアの画面をトントンとノックするだけで、相手と簡単にコミュニケーションをとることができます。
ミッションはママたちのデジタルリテラシーを高めることも
——今までもVERYは、自動車メーカーなどいろいろな企業とコラボレーションしてきたかと思いますが、スマホは初めてですよね。そもそも今回はなぜスマホの開発に取り組もうと思ったのでしょうか?
今尾:これまで VERYの誌面でもよくママ同士のSNSトラブルや個人的な失敗など、スマホに関する記事を取り上げてきました。取材を通してわかったのは、実はママたちのデジタルリテラシーは決して高くないこと。
これからの時代、スマホは生活する上で必須アイテムであることはママたち自身も理解していて、そんなリテラシーの低さできちんと子どもに教えられるのか……と悩むママが多いんですね。危機意識と勉強したいと思う気持ちがすごくあるんです。
そこで子どもに安心して持ってもらえるだけでなく、同時にママたちのリテラシーを高めていけるようなスマホ開発に、一緒に取り組みをさせていただけたら嬉しいなって思います。
共同開発では、ママたちのスマホへの不安を払拭したい
——最後に、共同開発ということで、まだまだこれから長いプロジェクトになることと思います。お互いにどのようなものを期待しているか教えていただけますか。
今尾:そうですね。今、VERY読者のママたちにインタビューを重ねている中で、いろんなことを要求されています。スマホに対する不満や、機能が複雑すぎるなど。料金設定にしても、どんな機能やサービスにお金を払っているのかわからないという声も少なくありません。シンプルに本当に必要なものだけを届けられたらいいなと思っています。
石田:私たちでは想像もつかないまったく別の角度からの無茶振りがあると、エンジニアとして面白いなと思います。何かものを開発する時は、どうしても利益などビジネス面も考えなければいけないものですが、そうしたビジネス的側面が関係ないところで、純粋にこういうものがあったらいいなという意見を言っていただけたらなと。そうしてママと子どもの新しいスマホの関係が提供できればと想像すると、本当にワクワクしてきますね。
「子どもに安心して持ってもらえるスマホがほしい。」
「スマホが苦手でも難なく使えるスマホがほしい。」
スマホをいつから子どもに持たせるかは、ママやパパにとって悩ましい問題。良い面もあれば悪い影響も想像でき、考え方は人それぞれのようです。そうしたママたちのリアルな願いを今回のトーンモバイルとVERYの共同プロジェクトで叶えていくことが期待されます。
ママたちの“あったらいいな”を集めたら、一体どんなスマホが生まれるのか。VERYとトーンモバイルが取り組む、スマホに関する不安をなくし同時にママたちのデジタルリテラシーを高めることも視野に入れている同プロジェクト。今後も目が離せません。