トーンモバイルは2017年7月25日、新機種「TONE m17」の発表と同時に、子育て世代のママたちから絶大な支持を受ける女性誌『VERY」との共同開発サービス第一弾を発表しました。
それは、12歳以下の子供の場合、午後10時から午前6時までの間はスマホの利用に制限をかけるという「TONE×VERY」宣言(親の判断によりロック解除可能)。「いつでも安定して使える」を目指す携帯電話事業者が、あえて「使えなくする」機能を実装したのは、トーンモバイルが初めてです。その背景には、『VERY』が雑誌作りで大事にしている、「ママたちの声」があったと言います。
7月25日のトークセッションで、トーンモバイル株式会社 代表取締役社長CEOの石田宏樹氏と『VERY』編集長の今尾朝子氏が、経緯を語りました。
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2月におこなわれた対談はこちら
【トーンモバイル×VERYプロジェクト】編集長が考える、ママが本当に欲しいスマホとは?
新機能はもういらない。課題は、どうすればスマホ依存を防げるか
——今回、「12歳以下のお子様は午後10時から午前6時までスマホ禁止」という宣言を、トーンモバイルと『VERY』共同で出されました。ここに至るまでにどのような流れがあったのでしょうか?
今尾朝子氏(以下、今尾):実はプロジェクトを始める前は、あまり「格安スマホ」については明るくなくて、「安い」というイメージだけが先行していました。ママたちからも、あまり格安スマホについての話は聞いていませんでしたし。
ですが今回、子供のためを思っているトーンモバイルさんと共同開発して、ママたちの想いをひとつの形にできたなと思っています。
石田宏樹氏(以下、石田):今回、今尾さんはびっくりするような予想外の球を投げて来られて。事前に予告はされていたんですけど、まさかここまでとは思っていなかったです(笑)。
今尾:最初に石田さんは「何を要望されても作りますよ」とおっしゃっていたんですよね。「アプリ」でも「機能」でも、何でも。ただ、実際にヒアリングして、ママたちは知らなかっただけで、機能には十分満足しているということがわかったんです。
そうではなく、ママたちが本当に望んでいたのは、子供の「スマホ依存」などの不安を解消してくれるものだったんです。
——ママたちからはどのようなお話を聞かれましたか?
今尾:たとえば、夜、リビングに預かったものの、受信音が鳴ったり光ったり、結局、子供も私も落ち着かないというママがいました。そのご家庭では、夜はリビングにスマホを置かせる約束をしているのですが、「うちでは夜、スマホを手放させていますが、ほかのご家庭はそうとは限らないのが難しい・・・・・。スマホが鳴れば子供はどうしても気になってしまうからさわりたくなる」というご意見をいただいて。
それで、新機能を追加するのではなく、逆に、機能を制限させてくださいというお話をすることになったんです。
石田:もともと考えていたのとはまったく真逆のポリシーでしたので、まずはマインドセットを変えるところから苦労しましたよ(笑)。修行に近いような日々でしたが、勉強になりました。
今尾:禁止する時間帯については、もっと早い時間からというママたちの声もありましたが、塾や習い事でスマホを持たせたいママもいる。その妥協点が10時でした。親がルールを決めるというより、携帯会社が“夜使えない携帯である”と宣言してくれることが、何より大きいと思います。
「スマホの設定方法は難しい」と言われてできたテクノロジー、「親子の約束」
——今尾さんは今回の共同開発にあたり、もうひとつ、「親子の約束」をご提案されていますね。こちらの経緯についても教えてください。
今尾:ママたちに聞いたところ、子供とスマホを利用するうえでの約束ごとを箇条書きにし、紙に書いたと教えてくれた方が何人もいました。そうやってスマホ使用のルールを可視化するのはすごく大事だと思われているんですね。
ただ、結局なし崩しになってしまっている現状があって。たとえば最初に約束を決めていても、結局テスト期間だけの適用になったりと。そこで、絶対なし崩しにならないよう、契約書をもとに、携帯電話事業者側から機能を制限してもらうようにすることが大事だと考えました。
——親子で納得したうえで決めた、スマホ使用のルール。それを守れるよう、事業者側でサポートしてあげるということですね。
今尾:また、この「親子の約束」の特長は、紙1枚をカメラで撮影したら全部設定が終わってしまうことですよね。
実は、ママたちから「スマホの設定方法は難しい」という声を非常に多く聞きました。いろいろ子供スマホで機能を制限できることは知っていても、どのアプリからどうやって設定すればいいかわからないという方がたくさんいらっしゃったんです。
「親子の約束」のように簡単な設定で、親子のコミュニケーションの取り方を提案していただけるとママたちも安心です。スマホリテラシーに不安を持っているママたちの悩みをこういった形で受け止められたのは、大変うれしいことです。
石田:開発側から見ても、この「親子の約束」はチャレンジングな取り組みとなりました。コンピュータを作っている企業にとって、新しいインターフェイスを作るという取り組みは非常に面白い局面です。たとえばキーボードからマウスになったり、マウスからタッチパネルになったり……。そういった意味でも、アナログな紙をデジタルなカメラで撮るという試みは、新たな発想として非常に面白かったです。今尾さんには、大変よい気付きをいただきました。
——最後に、今後の展開について教えてください。
今尾:私たちもたくさん気づきをいただいたので、今後もママたちのスマホリテラシーを上げるという部分でなにかご一緒できたらすごく嬉しいと思っています。
石田:今回はVERYさんの読者であるかっこいいママがお子さんに持たせるスマホという点で、ご協力いただきました。次は、ママたちのご両親——シニア世代に持たせるスマホの開発でご協力いただけたら非常に助かります。
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『VERY』流の徹底したヒアリングを経て、ママたちの”あったらいいな”を実現したトーンモバイルとVERYの新サービスが2017年8月1日、いよいよスタートしました。
子供にはじめて持たせるスマホだからこそ、家族全員が安全安心に使えるスマホを。トーンモバイルとVERYの挑戦はまだまだ続きます。