子供に携帯を持たせるときのルールの決め方

子供に携帯を持たせるときのルールの決め方

子供に携帯・スマホ(スマートフォン)を持たせるときにはルールを決める必要があるといえます。今回は、ルールはなぜ必要なのか、そしてどのようにしてルールを決めればいいのかなど、子供の携帯・スマホの使い方に関するルールについて解説します。

子供に携帯・スマホを持たせるときにルールが必要な理由

子供に携帯・スマホを持たせるときに親子で話し合い、ルールを決め、それを守るように約束することには大きな意味があります。ルールは第一に子供の安全を守るためのものであり、第二に今後も使い続けることになるであろう携帯・スマホとの付き合い方のベースを作るためのものです。

もし、ルールを決めないままに子供に携帯・スマホを与えて自由に使わせとしたらどんなリスクがあるのでしょうか。まず考えられるのは携帯・スマホに依存してしまうリスクです。スマホには多くの機能があり、多種多様なコンテンツを利用できます。子供がスマホでゲームをしたり、動画を見たり、SNSで不特定多数の人とコミュニケーションしたりすることにのめり込みすぎて、スマホが片時も手放せなくなってしまうケースもあります。

スマホ依存といわれるものですが、常にスマホを操作し、そのために成績が著しく下がる、生活リズムが崩れるといった問題が起きても使用をやめられず、スマホが使用できない状態が続くとイライラして落ち着かなくなるなどの症状がでてしまいます。自分の気持ちや行動を上手にコントロールするのに慣れていない子供のうちは、保護者がしっかりと管理する必要があるといえます。

また、子供がスマホで有害サイトを閲覧して影響を受けたり、SNSなどをきっかけに犯罪に巻き込まれたりするリスクも想定しておくべきです。犯罪とまではいかないまでも、最近はSNSやコミュニケーションアプリを使ったいじめも問題になっています。文字を主体としたコミュニケーションは誤解を生みやすく、悪意が拡散・増幅されやすいという傾向があります。そのために子供がいじめの被害者になることや、ときには意図せず加害者になってしまうこともありえます。

こういったリスクを最小限に抑えるためには、スマホ利用に関するルールを設ける必要があるといえるでしょう。

アメリカで共感を得たスマホ18の約束

「スマホ18の約束」をご存知でしょうか。アメリカのあるお母さんが13歳の息子にスマホを与えるかどうか悩んだ末に息子に宛てて作った「使用契約書」のことです。この18の約束はアメリカだけでなく日本でも多くの共感を得て、広く知られるようになりました。

その内容は、たとえば与えるスマホはお母さんが買って息子に貸すものであること、電話には必ず出ること、スマホを貸し与えるのは決まった時間帯に限ること、学校には持って行かないこと、ときどきスマホを家に置いて出かけること、上を向いて歩き、周りの世界をよく見ること、ときどきネットでの検索をやめて自分の頭で考えること…などの確認事項や約束が書かれています。

日本とアメリカでは事情が異なる部分もありますが、子供に携帯・スマホを与えるときに、何を伝えるべきか、どんなことをルールとするべきかを知る参考になることは間違いありません。一つの知識として、一度はこの「スマホ18の約束」を読んでみることをおすすめします。

参考)「NIKKEI STYLE」
スマホ、親と子の「18の約束」 トラブルになる前に…

ルールを決めるときの注意点

スマホを利用するためのルールは、一方的に保護者が決めて子供に押し付けるのはよくありません。子供の同意を得ることなく勝手に作られたルールを、子供がしっかりと守り続けることはおそらく難しいでしょう。ルールを守るのは子供自身なので、その意志を尊重した上でルール作りをするようにします。その上で、ルールを守れなかったときにどうするかも決めておくと良いでしょう。

子供の携帯・スマホのルールの決め方

これまで述べてきたように、ルールは子供と話し合って考えるのが基本です。まずは、携帯・スマホを使うことで生じるかもしれない危険性や違法行為、人としてやってはいけないことなどについて一緒に考えながら学んでいきましょう。

そしてその後、使用してよい機能、アプリ、利用時間、利用場所などについて決めていきます。これらの多くは、スマホならフィルタリングや利用時間制限、アプリ利用状況確認、位置情報確認などを行う「ペアレンタルコントロール機能」によって設定可能です。子供にもどんな設定をしてどのような機能を制限し、アプリ利用状況や位置情報を確認するかを伝え、同意を得るようにしましょう。

子供の安全を守るために、携帯・スマホを持たせるときはルールを決めることを忘れないようにしてください。その上で、子供のスマホを見守るためのさまざまな設定を保護者がしっかりと行う必要があります。