高齢者が初めてスマホを購入して利用するときは、つい陥ってしまいやすい勘違いや操作ミス、トラブルなどに注意しなければなりません。シニア世代のユーザーやその家族が意識しておきたい注意点と、高齢者向けのおすすめの設定について解説します。
高齢者がスマホを購入する際の注意点
高齢者が初めてスマホを購入する際は、いくつか注意すべき点があります。
まず気をつけたいのは、契約時に不要なオプションを付けないことです。ショップで契約をするときは、補償サービスなどの重要なオプションについては検討をするべきですが、同時に必要のない、興味のない有料サービスの加入を持ちかけられたときははっきりと断ることが大事です。
最近では、動画見放題や雑誌読み放題などのサブスクリプションサービスをすすめられることが多く、初月は無料で試せて、不要であれば有料になる前に解約手続きを行うというものです。こういったサービスは、さほど興味がなくても無料であれば試してみようと思うこともあるでしょう。気に入らなかったら解約すればいいのですが、一度契約してしまうと、有料になるタイミングに気づかず解約をしない、あるいは解約の方法がわからないなどの理由で料金を払い続けてしまう方も中にはいます。
ほかにも、タブレットやモバイルWi-Fiルーターの購入やレンタルをすすめられるかもしれません。こういった端末について詳しくない人であれば、しっかりと理解しないままによけいな契約をしてしまうこともあります。現在はショップもオプションなどの強制はしないよう指導されているはずですが、それでもこうした契約が原因でトラブルが発生する可能性はあるので要注意です。
また、上記と似たケースとして、必要以上に高スペックな機種を購入してしまう人もいるようです。高齢者が初めてスマホを持つのなら、多機能な高性能な端末よりも、シンプルで使いやすく、画面が見やすい端末を選ぶのがおすすめです。できれば事前にスマホでどんなことをしたいのかを聞いておき、その使い方に合う機種を調べて候補を挙げておくのがよいでしょう。
高齢者がスマホを利用する際の注意点
次に、購入したスマホを利用する上で注意したいことを挙げてみましょう。
スマホに慣れないときにやってしまいがちなのが、スマホを使ったあとスリープ状態にしないままカバンやポケットに入れてしまうことです。スマホをしまうときは電源ボタンを押すなどして画面を消しておかないと、何かが画面に触れて誤作動を起こしてしまうことがあります。これを防ぐためのアプリもあるのですが、まずはスマホを使い終わったらスリープにする癖をつけておきましょう。
通話(電話)の切り忘れも、高齢者や初心者がついやってしまうトラブルです。多くの場合、通話を切るときは通話アプリの通話終了ボタンをタップします。しかし、ガラケーに慣れていると電源ボタンを押して切ったつもりになったり、ホームボタンや戻るボタンを押して終了させた気になっていたりすることがあります。これも基本操作をしっかり覚えておく必要があります。
ほかには暗証番号を忘れてしまう、アプリ内の広告をクリックして必要のないアプリをインストールしてしまう、有料だと気づかずに課金をしてしまう、さらにはワンクリック詐欺・フィッシング詐欺・振り込め詐欺などに引っ掛かってしまう、といったことも考えられます。一つ一つ、注意喚起をしておきましょう。
高齢者のスマホにおすすめの設定
ここまで見てきたことを踏まえて、高齢者が使うスマホには次のような設定をしておくのがおすすめです。
文字サイズを大きくする
老眼で文字が見えにくいという場合は設定で文字サイズを大きくしておきましょう。画面を拡大する機能も使い方を覚えておくと便利です。
指紋認証や顔認証を利用
端末を紛失したときのために、画面の自動ロックは必ず設定しておくべきです。そのとき、スマホを使うたびにいちいち暗証番号などを入力しなくてもすむように、指紋認証や顔認証を登録しておきます。また、暗証番号は念のためメモを取り、そのメモは人に見られないよう厳重に管理しておきましょう。
アプリの利用制限をする(必要に応じて)
高齢者が使うスマホを家族の誰かが管理する場合は、どんなアプリか、どうお金がかかるアプリかを知らずにインストールし利用してしまうようなことがないように利用制限ができます。
iPhoneの場合は「スクリーンタイム」という機能を、Android端末の場合はフィルタリングアプリを使うと、アプリの利用制限が可能になります。本来は子供にスマホを持たせるときのための機能ですが、高齢者向けとしても活用できます。
位置情報を共有する(必要に応じて)
高齢者がスマホを持って今どこにいるのかという位置情報を把握することもできます。
方法はいくつかありますが、トーンモバイルのスマホでは「TONE見守り」というアプリが無料で使えます。現在地をリアルタイムで確認できるのはもちろん、過去の位置情報を確認したり、高齢者の移動手段の変化を検知して車や電車に乗ったときに家族の端末に通知を送ったりする機能を利用できます。
Wi-Fiの接続設定をしておく
自宅にWi-Fi対応ルーターがある場合は必ず接続できるよう設定をすませておいてください。そして動画などを見るときはWi-Fiを利用したほうがデータ使用量を節約できることを教えておきましょう。アプリの自動アップデートなどもWi-Fi接続時のみ行うよう設定しておきます。
なお、トーンモバイルのスマホには、スマホがうまくインターネットにつながらなくなったときに役立つ「置くだけサポート」という機能も用意されています。これはトーンモバイルのスマホの箱にスマホを置くだけで、無線通信が行われて自動で問題が検知され、修復されるというものです。高齢者には嬉しい機能でしょう。
この方法で問題が解決しない場合は、もちろん、コールセンターによる電話サポートも受けられます。
さらに、トーンモバイルのスマホには離れた場所にいる家族が高齢者の使うスマホを遠隔操作して設定できる「家族サポート」という機能もあります。同様に、コールセンターのオペレーターによる「遠隔サポート」も利用できます。
高齢者がスマホ(スマートフォン)を購入して使うときは、購入時、使用時ともに気をつけておくべきことが数多くあります。家族がそうした注意点を把握していれば、心強い助けになります。また、十分なサポートが受けられる会社のスマホを選ぶことも重要だといえそうです。