何に注意すべき? 高齢者へのスマホ操作の教え方

何に注意すべき? 高齢者へのスマホ操作の教え方

高齢者はスマホ操作が苦手だと思われがちですが、ほとんどの場合、その原因はまだ新しい道具に慣れていなくて、操作に必要な知識や経験が不足しているためです。丁寧に教えればシニア世代の方でもスマホの使い方を理解し、使いこなすようになることは十分に可能でしょう。今回は家族などが高齢者にスマホ操作を教えるときのコツをご紹介します。

高齢者がスマホ操作でつまずくポイント

まず、スマホ(スマートフォン)を初めて使う高齢者が操作でつまずきやすいポイントをいくつか挙げてみましょう。

タップができない

まず、スマホの基本操作であるタップがうまくできないことがあります。これは「静電容量方式」のタッチパネルでは、指が乾燥していると静電気が発生しづらいので反応しにくいことが原因の一つだと言われることがあります。また、高齢者の中にはゆっくり、強く画面に指を押し当ててタップしようとする人がおり、長押しなどになってしまってタップできないというケースもあります。

対処法としては、ときどきおしぼりなどで指を湿らせる、軽く画面にタッチする感覚に慣れるなどが考えられます。またトーンモバイルのスマホでは、「スマホタッチを有効」という機能をオフにすると、しっかりタップができたら画面が反応する設定にすることもできます。スマホに慣れていない高齢者でも操作しやすい端末となっています。

操作する指以外が触れてしまっている

操作するために人差し指だけを使っているつもりでも、気づかずにほかの指や手のひら、本体を持っているもう片方の手が画面に触れてしまっているケースも見られます。すると本人は何もしていないと思っているのにスマホが予想外の動きをすることになります。

これも人差し指だけが画面に触れるよう意識して操作するか、トーンモバイルのスマホであれば「スマホタッチを有効」をオフにして、ミスタッチを減らす方法が有効です。

前の画面に戻れない

前の画面に戻りたいけれど、どうすればわからないというのもよくあるケースです。Android端末には以前は「戻るボタン」がありましたが、最近の機種や最新版のOS(Android 10)では戻るボタンがない場合もあります。

そのため前の画面に戻るには、画面上の「←」や「<」というマークを探してタップする必要があります。もしくは画面の左端から右へとスワイプすると前の画面に戻ることができます。

ただこれ以外にも、たとえばあるアプリから別のアプリを起動した場合に前のアプリに戻るには、マルチタスク画面を出してアプリの切り替えを行うといった操作が必要になります。こういった操作の違いが高齢者にとっては理解しづらいのかもしれません。

目的に対していろいろなやり方があって混乱する

目的に対して複数のやり方があるのがスマホの特徴でもあります。たとえば上述したアプリから別のアプリに移ったあとで元のアプリに戻るやり方も、iPhoneでは画面左上に表示された元のアプリの名前をタップして戻れるようになっています。あるいは一旦ホーム画面に戻ってから元のアプリを立ち上げれば、元の画面に戻れます。

このように、いろいろなやり方があるのはスマホの長所ですが、高齢者にとっては混乱する原因にもなりかねません。最初は最も簡単でわかりやすいやり方だけを考えて、ほかの方法については説明せず、スマホに慣れてきたらやり方を増やしていってあげるとよいでしょう。

高齢者にスマホ操作を教えるときの注意点

高齢者にスマホ操作を教えるときには、教える側も注意しておきたいことがあります。

まず、最初にスマホがどういうものなのかという大まかな概念を伝えておくこと。これはスマホで何ができるのかを、ガラケーと比較しながら話すのがわかりやすいでしょう。その次にスマホの基本操作を伝え、さらにその高齢者がスマホで何をしたいのかをヒヤリングして、目的を果たす方法を説明するのが正しい順番と言えます。

また、その際は同じことを何度も聞かれるのは当然という前提で対応することが重要です。わかりづらい操作でも、聞かれるたびに丁寧に説明すれば、繰り返すことで徐々に覚えてもらえるはずです。何度も説明することはとても大事だということを意識しておきましょう。

ほかには、スマホを使う上での注意点についても伝えておきます。たとえばスマホを使用したあとは、電源ボタンを押すなどしてスリープ状態にしないと、ポケットやバッグ内で誤作動する可能性があること、Wi-Fiに接続せずモバイル通信で動画などを見ると通信量が増えて通信速度制限に引っ掛かる場合があることなどを説明しておきましょう。

高齢者へのスマホの操作の教え方

操作を教えるときは、なるべく専門的な用語は使わず、わかりやすい言葉に置き換えて伝えたほうが理解されやすいでしょう。

タップやスワイプ、アプリといった基本的な用語はこれからも使うことがあるので、教えたほうがよいかもしれません。しかし、マルチタスク、クラウド、アカウントなどの用語はちょっとわかりにくいのではないでしょうか。高齢者にとって耳慣れない用語については、なるべく日本語を使って言い換えたほうが伝わりやすいはずです。そして言葉の置き換えをした場合は、その後も同じ言葉を使って伝えるようにします。例えば、文脈にもよりますが、マルチタスクなら「画面切り替え」、クラウドは「スマホ本体ではなくインターネット上での保存」、アカウントは「会員」といった言い換えを試してみましょう。

加えて、操作方法は教える側がやってみせるよりも、本人にスマホを操作してもらうほうが覚えてもらいやすいはずです。そして同じことが再現できるかどうか、何度かやってみてもらいましょう。

複数のやり方がある操作は、最初からそれらをすべて教えようとするのではなく、まず最もわかりやすい操作方法だけを教えましょう。ほかのやり方はあとあと操作に慣れてから覚えてもらえば十分です。

なお、スマホのロック画面解除用のパスワードなどは、忘れてしまったときのためにメモを取っておくことをおすすめします。ただし、メモはほかの人に見られないように厳重に管理しておく必要があることも合わせて伝えておきましょう。

高齢者にスマホ操作を教えるときは、ぜひ上記を参考になさってください。また、キャリアのサポートが受けられるときは積極的に活用していきましょう。トーンモバイルでは、スマホの操作方法などについての質問に、オペレーターが電話で回答するサポートを無料で行っています。ぜひご活用ください。