塾はとっくに終わっているのに、子供の帰りが遅い……。すると「学校や塾にきちんと行っているのか不安……」、「まさか危険な目にあってないか……」など、いろいろと心配になってきて仕事や家事が手につかなくなってしまうこともあるでしょう。
そんな不安を解消するために、子供にGPS付きのスマホを持たせることを検討している親御さんは多いはず。
そこでこの記事では、そもそもGPS機能とは何か、その基本性能について解説するとともに、実際にスマホのGPS機能を使って実験を行いました。ではさっそく、GPSの性能を確かめてみましょう。
GPSって、子供の防犯上に本当に役立つの?
子供の防犯向けにGPS付きのスマホや防犯ブザーといった商品が増えてきています。こうしたアイテムは、どれほどの効果があるのでしょうか。
実際に子供の防犯でGPSの機能が役に立った事例もあります。例えば、2015年10月、中学2年生の女子生徒がインターネットを介して知り合った人に誘拐され、自宅に連れ込まれる事件が発生。子供の帰宅が遅いことを不審に思った母親が、GPS機能を使って犯人宅を割り出し発見、逮捕に至ったという事件がありました。
中国では、年間1万人以上の児童が誘拐されており、社会問題にもなっています。誘拐を少しでも解決するために、GPS機能付きの腕時計や靴、子供が失踪した際には、すぐに顔写真を拡散するといったサービスが開発されています。実際に、こうしたサービスによって助かった子供もいるそうです。
このように、GPS機能は子供の身を守るために有効な対策方法と言えるでしょう。
さっそくGPS機能付きのスマホを使ってみよう
しかし、「GPSを使ってどんなことができるの?」「どんな場所にいても、きちんと使えるの?」と、購入を悩んでいる親御さんもいるはず。
そこで今回は、親用と子供用のスマホ2台を用意し、実際にどのように使えるのか、本当に子供を見つけることはできるのか調べてみました。
今回使用するGPS付きのスマホは、トーンモバイルが提供している、TSUTAYAのスマホ「TONE」。
トーンモバイルは、「TONEファミリー」というGPS機能付きの見守り機能を提供しています。
GPSで居場所を確認するだけでなく、インターネットのフィルタリング機能やスマホの使用時間を設定することができる機能がついているので、現実世界でもインターネットの世界でも、しっかりと子供を守ることができるサービスです。子供に持たせるスマホとしては、安心ですね。
実際に、そういった子供を守る機能が評価され、「TONE」は全国子ども連合会に、「TONEファミリー」はや東京都及び9都市から推奨されています。
今回、GPS機能を使ってみる場所は東京の渋谷駅周辺。人が多く、普通に歩いていているだけで、人混みに紛れてしまうこともしばしば。また、ゲームセンターや繁華街がたくさんあるので、子供をひとりで歩かせるには少し心配な場所です。
では、GPS機能を使って、渋谷で子供と出会うことはできるのか試してみましょう。
さっそく「TONEファミリー」のGPS機能を起動してみました。地図を見てみると、どうやら太郎(子供役の端末)は徒歩10分程度離れた渋谷駅周辺にいるようです。さっそく向かってみましょう。
渋谷駅周辺に着きました。アプリを見ると、お互いに近くにいるようですね。
画面を拡大してみると、ハチ公像の近くにいることがわかります。探してみましょう。
辺りを見回すと、目と鼻の先にいるのを発見し、きちんと出会うことができました。GPSを使えば、子供のいる位置を調べられ、しっかり出会うことができました。
GPS機能で居場所がわかれば、もしものことがあった場合でも子供を探す手段になるので安心です。
しかし、地下や高層ビルの中など、電波がうまく入らない場所もたくさんあります。電波は金属やコンクリート、ガラスなどを通ることができないため、建物や場所によってはどうしても電波が悪くなってしまうようです。
そういった状況でも、GPS機能は正確な位置情報を取得することができるのでしょうか?子供がいつも外にいるとも限らないので、GPS機能の精度はきちんと理解しておきたいですよね。
そこで今度は、GPSがどこまで使えるのか、いろいろな場所で調べてみました。
場所を改めて、渋谷の地下商店街に移動しました。TONEファミリーを見てみると、ここのどこかに、太郎はいるようです。電波が悪いと言われる地下街でも、太郎と出会うことはできるのでしょうか?
地下にいても、子供の位置情報を読み込むことはできました。少し離れた角を曲がった場所にいるようです。
地図を頼りに歩いていくと、太郎を見つけることができました。地下のステージは難なくクリアです。
次は、高層ビルの中。普段使っているスマホでも、ビルによっては電波が通じにくい場所もあります。今回は、なかなか手強い状況かもしれません。
さっそく、「TONEファミリー」を読み込んでみると、渋谷の中でも特に高いビルである渋谷ヒカリエ近辺の住所が出てきました。
ヒカリエ付近に到着し、もう一度太郎の現在位置を検索してみると、どうやらビルの中に入っているようです。右端に書いてある1~11までの数字は、ビルの階数を表すもの。この数字を切り替えることで太郎のいる階数を調べていきます。
ビルの中でも無事にクリア。子供がいる階数まで把握できるのか不安でしたが、きちんと太郎と出会うことができました。
「近くにいるはずだけど、子供の姿を見つけることができない……」そんな時は、「TONEファミリー」内の伝言機能を使ってみると良いかもしれません。今回は使いませんでしたが、こうしたメッセージ機能や電話機能とGPSを併用すれば、もっと早くみつけることができるでしょう。
実際に、GPS機能を使ってみた感想
やってみるまでは、きちんと会えるのか不安がありましたが、基本的には何の問題もなく出会うことができました。実際に使ってみて便利だった機能がいくつかあったので、以下にまとめてみました。
①ダッシュボード機能
ダッシュボード機能とは、アプリの下部のユーザーアイコンや現在位置、利用状況などの機能が並んでいる部分。
今回は太郎だけでしたが、他にも見守りたいユーザーがいる場合、登録することができます。アイコンを押すだけで画面が切り替わるので、手軽ですね。
②プッシュ通知機能
子供の利用状況や見守り情報の通知は、メールだけではなく、プッシュ機能で子供の居場所やスマホの使用状況を閲覧することができます。プッシュ通知でお知らせがあると、わざわざスマホのロックを解除する必要もないですし、何かあった場合はすぐにわかるので便利ですね。
③過去の位置情報がわかる機能
現在の位置情報がわかるだけでなく、過去にどこにいたのかも見ることができます。子供が危ない場所に寄り道していないか心配な親御さんも安心です。
④他社の端末からでも見守れる
いくら子供向けの機能が充実しているからとはいえ、使い慣れた端末から子供と同じものに乗り換えるのは気が引けますよね。
しかし、専用アプリのインストールと設定を行うだけで、iOS端末や他社のAndroid端末、そしてパソコンからも見守れるようになるので、何も心配することはありません。
GPS機能は、月々いくらで使うことができるの?
今回使用した「TONEファミリー」は、TONE基本プランのオプションとして月額200円(税抜)で提供されています。ただし、親御さんもTONEをお使いの場合は0円で利用ができます。
また、「TONEファミリー」にはGPSだけでなく、インターネットのフィルタリング機能や親が決めた時間以外は使うことができない利用制限もしっかりしています。
基本プランは月額1000円(税抜)で、IP電話サービス(TONE同士の通話は無料)、インターネット使い放題(一部制限有)で利用できます。
また、サポートも電話だけでなくTSUTAYA店頭でも受けることができるので、何か困ったことがあった時でも安心して、いろいろと話を聞いてもらうことができますよ。
GPSはあくまで“お守り”。親子できちんと約束を決めよう
確かに、GPSの精度は年々上がってきていますし、スマホの防犯アプリも充実してきています。
実際に使ってみても機能は使いやすく、子供に持たせておくと親御さんは安心できるだろうと感じました。
しかし、GPSはあくまでお守り。バッテリーがずっと持つわけでもありませんし、犯人にスマホを捨てられてしまえば元も子もありません。
GPS機能に頼りきるのではなく、もしも危険な目にあった際の対処法や、親子での約束ごとをきちんと取り決めておき、子供にもしっかりと防犯意識を持たせることが大切です。
[編集]サムライト編集部