キッズ携帯はどのように選べばいい? おすすめの活用法も

キッズ携帯はどのように選べばいい? おすすめの活用法も

スマートフォン(スマホ)を利用し始める時期は年々、低年齢化しています。小学生で自分の携帯電話を持っている子供もめずらしくなくなり、子供の安全に役立ついわゆる「キッズ携帯」製品も各種発売されています。キッズ携帯とはどんな機能を持つ携帯電話で、どんな種類があり、何を基準にして選べばいいのでしょうか。おすすめの活用法も含めて、キッズ携帯について知っておきたいことをまとめて解説します。

キッズ携帯はそもそも必要?

キッズ携帯を子供に与える家庭が増えているのは、なぜなのでしょう? ここで言うキッズ携帯とは、小学生から中学生、高校生までを含む子供向けに特化して設計された、あるいは仕様を変更して提供されているフィーチャーフォン(ガラケー)やスマートフォン(スマホ)のことです。

キッズ携帯の需要が増している背景にはまず、大人も含めて一般的に携帯電話自体がコミュニケーションや情報収集のために欠かせないアイテムになっていることが挙げられます。内閣府の「令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、小学生がスマートフォン・携帯電話を所有・利用している割合は平成29年の時点で55.5%となっています。高学年になるほど所有率は高くなります。中学生は66.7%、高校生は97.1%とほとんどが所持しているという結果となっており、確実に普及が進んでいることがわかります。

加えて最近は固定電話を引いていない家庭が増え、共働きであればなおさらスマートフォン・携帯電話が重要な連絡手段となります。とくに子供に対しては、緊急時の連絡や防犯・防災を目的にスマートフォン・携帯電話を持たせる 保護者が増えています。災害に関しては地震などもそうですが、最近では新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、子供が感染の危険性のある場所に近づかないよう行動範囲を把握したいというニーズが高まっています。

一方、学校側も災害対策などのためにスマートフォン・携帯電話の持ち込みを許可する流れに向かい始めています。文部科学省の方針では、小学校についてはスマートフォン・携帯電話の持ち込みは原則禁止としていますが、中学校については、2020年7月13日に「条件付きで許可する」方向へとシフトしたことが話題になりました。高校の場合は以前から、「教育活動に支障がないよう配慮することを前提に、各学校において適切に定めることが妥当」とされています。

キッズ携帯の特徴

キッズ携帯は、一般的なフィーチャーフォンやスマートフォンと比べて利用できる機能が制限されており、一方で子供を守るための各種機能が追加されています。

機能の制限は、子供が犯罪に巻き込まれないようにするため、インターネットやサービス、スマートフォンに依存しないようにするためのものです。有害ウェブサイト閲覧、サービス利用、有料コンテンツの購入・アプリ内課金、アプリの利用 などが制限の対象となっており、最近では不適切な写真や動画の撮影を制限できる端末も登場しています。

子供を守るために追加されている機能の代表は、GPSを使った居場所確認でしょう。ほとんどのキッズ携帯が、気になるときにほかのスマートフォンや携帯電話、パソコンから子供の居場所を地図上や住所で確認できるようになっています。

キッズ携帯選びのポイント

キッズ携帯を選ぶときにポイントとなるのはまず、求める機能が搭載されているかどうかです。たとえば基本機能の一つである居場所確認でも、子供が学校から家に着いたら通知が届く機能があれば便利だと思う人もいるでしょう。実際にキッズ携帯を使い始めてから「こんな機能があればもっと良かった」と思うケースも多いので、事前にどんなことができるのかを十分に調べておくようおすすめします。

また、どこのキャリアの携帯を選ぶかもポイントです。キッズ携帯には3大キャリアのものだけでなく、格安SIMで使えるキッズ向けの格安スマホもあります。保護者と同じキャリアの端末を選ぶのも一つの方法ですが、自分たちは3大キャリアでも、子供向けには格安SIMで使えるキッズ携帯にして費用を抑えるという選択肢もあります。

キッズ携帯の種類

キッズ携帯にはフィーチャーフォンタイプとスマートフォンタイプがあります。両者の違いとそれぞれ押さえておきたいポイントを説明します。

フィーチャーフォンタイプ(ガラケー)

子供に持たせる携帯電話にはごくシンプルな機能だけあればいいと考えるなら、フィーチャーフォンタイプが適しているでしょう。

主な機能は電話、メール、SMS、GPSによる居場所確認など。タッチパネル方式で、カメラが付いているなどスマートフォンに似た操作感の端末も出てきていますが、中身はフィーチャーフォンで、インターネットでウェブページを見たりゲームをしたりする機能はありません。LINEなどのアプリも使えません。

また、このタイプの端末にはよく防犯ブザーが付いています。さらに、子供の手でも持ちやすいコンパクトな大きさで、防水・防塵・耐衝撃仕様になっているのも特徴的です。これらの点からも、フィーチャーフォンタイプは小学校の低中学年が主なターゲットであることがわかります。

スマートフォンタイプ(スマホ)

スマートフォンタイプのキッズ携帯はフィーチャーフォンタイプよりも機能が豊富です。小学校高学年や中学生くらいになるとLINEなどで友人と情報交換する機会が増えるため、スマートフォンの方が需要は高くなってきます。

スマートフォンタイプの代表と言えるのが、 「トーンモバイル」の端末 です。OSはAndroidを採用、各種アプリはもちろん、カメラや生体認証機能なども使える一般的なスマートフォンなのですが、「TONEファミリー」というオプションサービスを利用することで、キッズ携帯としても使えるようになります。簡単な設定を行うだけで子供を守るための多様な機能が利用でき、機能の制限や許可に関するカスタマイズ性が高く、さらに子供の成長に合わせてAIが最適な設定を提案してくれるなどの高度な機能が搭載されているのが特徴です。

3大キャリアもスマートフォンタイプのキッズ携帯を販売していますが、2020年11月現在は、auの1機種のみです。代わりに、一般のスマートフォンにフィルタリングサービスを付けて子供向け設定にするというサービスが提供されています。

ほかに、使用していないスマートフォンを所持している場合は、自分自身でフィルタリングアプリや管理アプリをインストールし、格安SIMなどを挿して使うという方法も考えられます。多機能というわけにはいきませんが、不適切なサイトをブロックしたり、子供のスマートフォンの使用状況を閲覧したりといったことくらいは、こうしたアプリで可能になります。

トーンモバイルの「TONE SIM (for iPhone)」は、iPhoneに挿すことで、子供向けの見守り機能を利用できます。使用していないiPhoneを持っている場合はこちらも検討してみるといいでしょう。

キッズ携帯の主な機能

居場所確認、機能制限、サイト閲覧制限(フィルタリング)の3つは、キッズ携帯の基本機能とも言えるものです。それぞれの機能の内容を説明します。

居場所確認

GPSを使って子供がどこにいるのかを確認できる機能です。

この機能があれば、いつでも気になったときに保護者のスマートフォンに地図を表示して、子供の端末の位置情報をチェックできます。また、過去の位置情報をさかのぼって見ることや、一定期間内の端末の移動履歴を表示することも可能です。その他、子供の行動範囲を移動ヒートマップで見るなどの機能もあります。

機能制限

不特定多数の人とのコンタクトなどにつながるアプリやネットサービスの利用を制限する機能です。

フィーチャーフォンタイプのキッズ携帯では、そもそも電話やメールはあらかじめ登録してある相手としかやりとりできません。SNSへの投稿、LINEなどコミュニケーションアプリの利用、オンラインゲームへの参加、アプリのインストールなどは最初からできません。

スマートフォンタイプではアプリや端末の利用時間などを、保護者がカスタマイズして設定できます。アプリごとに使用を許可する・許可しないを選べるなど、年齢などに合わせて細く設定できるのが特徴です。

サイト閲覧制限

いわゆるフィルタリングの機能です。2018年に施行された青少年インターネット環境整備法には、18歳未満の子供がインターネットを利用する場合、保護者が子供のインターネットの利用状況を把握し、フィルタリングソフトなどによってインターネットの利用を適切に管理すること、との旨が記されています。

フィーチャーフォンタイプのキッズ携帯は最初からサイト閲覧ができないようになっていますが、スマートフォンを与える場合はこの点に注意が必要です。スマートフォンタイプのキッズ携帯なら標準でサイト閲覧制限が使えます。もしくは一般的なスマートフォンを子供に与える場合も、フィルタリングなどによるサイト閲覧制限を施すことができます。

子供をしっかり守るためのキッズ携帯に欲しい機能

基本機能以外にも、キッズ携帯には「あると便利」な機能が用意されています。いずれも子供を守るための機能です。

自動通知

共働きの家庭などでは、子供が帰宅すると自動的に保護者のスマートフォンへ通知する機能があると役に立つでしょう。また、子供の足取りが気になるときに5分ごと、10分ごとに連続して位置情報を知らせる機能を持つものがあります。

他には、子供が車や電車などの乗り物に乗ったことを検知して通知する機能も便利です。学校にいるはずの時間帯に乗り物での移動を検知するとより強い警告を表示するなど、連れ去りなどの脅威に対応する設定も可能です。また、ユニークな機能としては、歩きスマホを検知すると画面に警告を表示し、保護者のスマートフォンにも通知が届くといったものもあります。

利用状況確認・利用時間制限

スマートフォンタイプの場合は、子供のインターネットやアプリの利用状況を確認する機能も欲しいところです。なかには、利用状況を確認できるだけなく、アプリやスマートフォンの利用時間を設定して使いすぎを防止する機能などもあります。

自画撮り被害対策

SNSなどを通じて知り合った相手からだまされる、おどされるなどして、子供が自分の裸体などを撮影して送信させられるという「自画撮り被害」が増えています。悪質な場合、その写真や動画が、SNSやアダルトサイトに掲載されて拡散されてしまう事例もあります。

一般的なキッズ携帯で自画撮り被害を防ぐには、カメラの使用自体を制限するか、そもそもカメラを搭載していないものを選ぶことになるでしょう。
トーンモバイルのスマートフォンであれば、裸やそれに近い服装などの不適切な画像や動画をAIが検知すると保存をさせない「TONEカメラ」を使って防ぐこともできます。不適切と判定される撮影がされたときには、フィルターのかかった画像が位置情報とともに、保護者に通知されるように設定することもできます。

学校への持ち込み対応

GPSを利用してエリアごとにアプリの使用制限を設定することができる機能もあります。たとえば学校内に入ったら不要なアプリを使用禁止にして、保護者との連絡に必要なLINEや勉強で使う学習アプリのみを許可するといった設定ができます。このことにより、学校側の許可を得た上で、通学時でも安心して子供にキッズ携帯を持たせられます。

格安SIM?3大キャリア?キッズ携帯のキャリアの選び方

フィーチャーフォンタイプのキッズ携帯を選ぶときに注意したいのは、現在のところ、選択肢が3大キャリアから発売されている機種しかないことです。フィーチャーフォンタイプの端末に格安SIMを挿して使うことはできません。

3大キャリアのキッズ携帯の利用料金は500~1,000円程度とリーズナブルなのですが、保護者(家族)と同じキャリアであることといった条件があります。居場所確認機能なども同キャリアでないと使えない場合があるので、事前確認が必要です。基本的に、3大キャリアのキッズ携帯は、保護者が契約しているのと同じキャリアのものを選ぶものと覚えておきましょう。

一方、スマートフォンタイプのキッズ携帯は、auの端末 が挙げられます。他のキャリアや格安SIMを使用したい場合は、一般的なスマートフォンを用意してフィルタリング機能などを利用する方法があります。また、トーンモバイルのスマートフォンは「キッズ向け画面」に設定することで、子供向けのスマートフォンとして使っていただくことができます。成長に合わせてフルスペックのスマートフォンに切り替えることも可能です。

なお、月額料金を抑えたいという場合は、格安SIMの利用がおすすめです。例えば、トーンモバイルでは基本プラン月額1,000円でインターネット使い放題です。サイト閲覧制限などが行える「TONEファミリー」オプションは、保護者もトーンモバイルを使っている場合は無料、トーンモバイル以外の場合でも月額200円で利用できます。トーンモバイルの端末は、実は子供向けの設定を外せば一般的なスマートフォンとして使用できるので、親子でトーンモバイルの端末とSIMを使えば月々の利用料をかなり抑えられます。

なかには、小学校低中学年の子供にはフィーチャーフォンタイプのキッズ携帯を、小学校高学年以上になったらスマートフォンタイプを持たせる、と考えている方もいます。しかし、いずれにしろ中高生になればスマートフォンを与えることになります。それならば、むしろ早いうちからスマートフォンを持たせて、きちんと保護者の目が届くうちから上手な使い方を学ばせるほうが将来のためなる、という考え方もできるのではないでしょうか。

キッズ携帯の活用方法

最後に、キッズ携帯の活用方法について触れておきましょう。

キッズ携帯の使いどころとして便利なのは、保護者が職場や外出先にいるときに、子供がどこにいるのかを確認できる点です。学校や塾からの帰りが遅いときなどでも居場所を確認できれば状況を把握しやすくなります。その上で心配なら電話やメール、メッセージで連絡を取れます。携帯を通じて子供の行動を見守ることができるというのは、キッズ携帯を持たせる大きなメリットです。

また、フィーチャーフォンやスマートフォンを与えて、子供の使い方を見守りながら、ネットや携帯を使ったコミュニケーションの注意すべき点や危険な部分について教えたり、ときには話し合いをしたりする機会を持つことも大事です。子供が危険な目にあったり、何らかの被害を受けたりすることもありますが、知識・知見がないと意図せずして加害者になる可能性もあります。将来、スマートフォン依存に陥らないためには、便利な機械を手にすることに対する心構えのようなものも必要です。

フィーチャーフォンタイプを選ぶにしろ、スマートフォンタイプを選ぶにしろ、まずは親子で一緒にキッズ携帯を使いながら、少しずつ携帯電話やネットに対するリテラシーを高めていくようにしましょう。キッズ携帯はそのための学びツールとしても活用できます。

フィーチャーフォンやスマホなどのキッズ携帯を上手に活用すれば子供の安全を守ることができます。また、キッズ携帯を通じて身を守る術を教えていけば、今だけではなくこれから成長していく過程においてもその知識が役立っていくはずです。

どんなキッズ携帯を持たせるかにはいくつか選択肢がありますが、トーンモバイルなら月額1,000円からで 子供のことを第一に考えた充実した見守り機能が使えるのでおすすめです。トーンモバイルのキッズ携帯 としても使えるスマホについて詳しく知りたい方は「キッズスマホとしておすすめな理由」をご覧ください。