ネット依存専門心理師──スマホを使いすぎる子どもたちに直面する危険とは?また家族ができる予防と対策とは?
ネット依存、スマホ使いすぎ
schedule 2023年09月28日
「スマホ依存」というと大げさに聞こえるかもしれませんが、「うちの子、スマホ使いすぎているな…」と、少し気がかりに思っている方は多いのではないでしょうか?
今回は、トーンモバイルのオンライン相談サービス「スマホ使いすぎ相談」をご担当いただいている、ネット・スマホ依存専門心理師・森山先生に、スマホの使いすぎにどんな危険があるのか、そしてその対策を伺いました。
この記事でわかること
- ”スマホ依存”とはどのような状態のことか?
- お子様の”スマホ依存”への予防と対策とは?
- トーンモバイルでお子様のスマホの使い方をサポートできること
ネット・ゲーム依存予防回復支援MIRA-i(ミライ)所長
ネット依存専門心理師
森山 沙耶
臨床心理士・公認心理師。ネット・ゲーム依存予防回復支援MIRA-i(ミライ)所長。特定非営利活動法人ASK認定 依存予防教育アドバイザー。 ネット・ゲーム依存を専門に当事者やその家族に向けて認知行動療法に基づく心理カウンセリングを行うとともに全国の学校、自治体、企業等を対象に予防啓発のための講演・研修の講師としても活動。
現代の子どもたちのスマホ依存問題の現状は?
内閣府の調査によると、スマホでのインターネット利用率は小学生で42.8%、中学生で78.1%、高校生で96.9%となっており、利用率は年々高まっています。
スマホを利用することで、分からないことをすぐに調べたり、友達とコミュニケーションが取りやすくなったりと、子どもにとって学習面や対人関係など様々な面で役立っています。その一方、スマホの使用をほどほどにすることができず、使い過ぎてしまい、勉強や睡眠、現実の人間関係などに問題が生じてもやめられない状態になる場合があります。
この状態が依存症と同じような状態であるとしてスマホ依存と呼ばれています。スマホ依存はまだ正式な病気と認められていませんが、オンラインゲームに関しては「ゲーム行動症」としてWHOが認めています。
依存症では、欲求や衝動性をコントロールする脳の前頭前野の機能が低下するため、自分では依存対象の使用をやめることが難しくなってしまうのです。依存の状態が深刻になると、昼夜逆転、引きこもりや留年・退学に発展するケースもあります。
子どもが”スマホ依存” かも…?対処法は?
まず深刻な状況になる手前の早い段階で、依存の状態かもしれないと気づくことが大切です。気づくためには、スマホ依存のサインを知っておく必要があります。下記がサインの例です。
CHECK
- 思っていたよりも長時間スマホを使ってしまう
- より長い時間スマホを使わないと満足感が得られない
- スマホを使わずにはいられない、使えないとイライラしたり、怒りっぽくなる
- スマホを使っていないときでも、スマホのことを考えている
こういった状態が続いたり、エスカレートしてくると依存が疑われるため、専門の医療機関や相談機関に相談してほしいと思います。また、依存症は病気の一つですので、依存の状態かどうかは自分や家族だけで判断できるものではありません。
お子さまのスマホ依存に気づく第一歩
- 利用時間の推移を日頃から定期的にモニタリングしておくこと
- スマホ以外の活動への興味関心に影響があるか観察すること
- スマホ利用へのこだわりの強さを観察すること
日本では精神的な疾患で医療機関を受診することやカウンセリングを受けることにハードルが高いと感じる人も多いかもしれませんが、困ったら抱えこまずに相談してほしいと思います。
スマホ依存の予防に必要なことは?
依存を予防する上で必要なことは、第一に家庭でのスマホ使用に関するルールを決めておくことです。
ゲームや動画、SNSはついついアプリを開きたくなり、長時間使い続けるための仕組みがあります。子どもは欲求をコントロールすることが大人よりも難しく、夢中になりやすいため、長時間の使用が習慣化してしまい、依存のリスクを高めます。
したがって、使用する時間や使用しない時間帯など使い過ぎを防ぐために子どもに合ったルール作りが大切になります。それと同時に、子どもがルールを守りやすくなる環境を家庭で作っていくことも考える必要があります。
さらに、依存せざるを得ない背景には、スマホ以外に楽しみやストレスを和らげる手段がないことや、孤独や大きな不安などがあります。スマホの他にも居心地のよい人間関係や楽しいと思える活動のレパートリーを広げることも予防において重要です。
トーンモバイルのサービスは
スマホの問題にどう活用できる?
トーンモバイルでは「TONEファミリー」オプションへご加入のお客様へ、徹底した見守り機能をご提供しています。お子様のスマホ利用を制限するものや、家族や知人に閉じた10名まで一緒に使えるチャット機能などをご用意しています。またその設定は「Oneファミリー」アプリからご利用可能です。そして森山先生にご担当いただいているトーンモバイルのサービス「スマホ使いすぎ相談」「スマホの家族ルール決めサポート」ではどんなことができるのかお伺いしました。
Oneファミリーアプリでできること/おすすめの機能は?
Oneファミリーでは、アプリごとに利用を許可制にすることができます。
子どもが利用するアプリを許可制にしておくことは、親と子でコミュニケーションをとるきっかけが生まれるため、活用できると良いと思います。
アプリによっては、ハマりやすく依存のリスクが高いものもありますし、オンライン上の見知らぬ人と交流できるものもあります。
子どもがやりたいのはどのようなアプリなのか、それにはどのようなメリットとデメリットがありそうなのかについて話し合えると、危険性の高いアプリを親の知らないところで使っていたということが防げますし、問題が起きそうであれば対策も立てることができます。
また、子どものスマホの利用状況についてレポートが親に送られるのも魅力だと思います。利用時間が長くなってきたら早い段階で変化に気づくことができ、長くなりがちなパターンや問題が生じにくいパターンも客観的な情報をもとに探ることができます。
スマホ使いすぎ相談はどのよう方におすすめでしょうか。またどのようなことを実施できますか?
子どもがスマホを長時間使っていて「依存なのでは」「依存してしまうのではないか」と心配に思っている方には一度相談いただきたいです。
医師ではないため診断することはできませんが、現在の状況についてお話をうかがうことができ、必要なサポートをアドバイスすることができます。
また、スマホを切り上げようとしてもなかなか難しい場合や勉強や他の活動に集中できなくて困っている場合にも、心理学の知見をもとに家庭できる工夫や家族の関わり方など具体的にアドバイスします。
スマホの家族ルール決めサポートはどのような方におすすめでしょうか。またどのようなことが実施できますか?
使い過ぎなどスマホにまつわるトラブルを予防するために、子どもにとって効果的なルールを一緒に考えることができます。
スマホを買い与える際にどこまでルール化すれば良いのか迷っている方だけでなく、ルールを決めたけれども子どもが守ってくれなくて困っている方にもおすすめです。
最近の研究では、スマホ利用についてペアレンタルコントロールなどを利用して管理することは依存の予防に役立つ可能性が示されている一方で、子どもが納得しておらず、親が一方的に利用を制限するようなルールは効果的ではないとも言われています。
このような最新の科学的なエビデンスや依存症の心理カウンセリングで培った知見を踏まえて、家庭ごとに効果的なルールはどういうものなのか、ルールを守りやすくするための工夫を一緒に考えます。
まとめ
- ”スマホ依存”は他人事ではない!人間関係や今後の生き方にも影響する
- 予防のためには家族内での「ルール決め」が重要だが、親子双方の納得感がないとうまくいかない
- トーンモバイルではスマホ自体やアプリごとの制御まで可能。また不安な方への専門家のサポートもあり
- 「スマホ使いすぎ相談」「スマホの家族ルール決めサポート」はTONE e22ご購入かつTONE Labo参加者限定のサービスです