子供をSNSいじめ(ネットいじめ)の被害者・加害者にしない対策

子供をSNSいじめ(ネットいじめ)の被害者・加害者にしない対策

子供たちの間で行われているSNSいじめやネットいじめが問題になっています。子供がこうしたいじめの被害者または加害者にならないように、現状を正しく把握しておきましょう。今回は、SNSなどのサービスが子供たちにどのように使われていて、何がいじめを助長するのかなど、SNSいじめの内容やその対策について解説します。

SNSいじめ(ネットいじめ)とは

SNSいじめとは、インターネット上のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて行われるいじめや嫌がらせのことです。

ネットいじめと呼ばれるものは2000年代頃からありましたが、以前は匿名掲示板や、部外者が入れないようパスワードなどが設定されている学校裏サイトを使って行われるのが主流でした。

その後、2010年代半ばからSNSが普及してくると、徐々にSNSが使われるようになってきます。たとえばTwitterの鍵アカウント(フォロワーのみ投稿内容が見られるアカウント)を使えば、誰でも簡単に学校裏サイトに近い状態を作り出すことができます。LINEのグループチャットを使っても同様のことが可能です。スマホ(スマートフォン)を持つ子供たちの間で、そういった環境を使っていじめが行われることが問題視されています。

SNSいじめ(ネットいじめ)の具体例

SNSいじめに利用される可能性があるのはTwitter、Instagram、LINE、ブログなどです。また、今でも掲示板やメールなどが使われることもあります。

具体例として多いのは、本人が知らない、読めないところで複数の人間によって特定人物への悪口が書き連ねられるケースです。先述したTwitterの鍵アカウントやLINEのグループチャットでの話し合いがそれです。いじめの対象となる者についての情報交換がなされたり、ときには現実世界でのリアルないじめの相談が始まったりすることもあります。

また、Instagramにはストーリー、Twitterにはフリートという24時間で自動的に消える投稿機能があります。その中に目立たないよう小さい文字で、あるいは誰のことかはあえて名前を出さずに悪口を書く子供もいます。どうせ消えるという気安さに加えて証拠が残りにくいため、ついストレスをぶつけるようにして書いてしまうようです。

SNSのアカウントを持つ相手に対し、匿名で質問できるサービスもあります。これを利用して、意地の悪い質問や悪口を投稿する子供もいます。

もっとエスカレートすると、いじめの対象となる子供のアカウントを故意に匿名掲示板で晒したり、本人になりすまして書き込みをしたり、写真や動画、個人情報などをネット上に流出させたりといった行為がなされるケースもあります。

SNSいじめ(ネットいじめ)の問題点

SNSいじめやネットいじめは、最初のうちはクローズドな環境で行われることが多く、周囲の大人や先生たちはなかなか気づきにくいといえます。また、隠れて悪口を書かれていたことを、何かのきっかけで本人が知ってしまったときのショックも計り知れません。

ひとたびSNSいじめが始まってしまうと、最初は乗り気でなくてもやがて同調して悪口を書き込み始める子供もいれば、調子に乗って新しいいじめの方法を思いつく子供、面白半分であとから参加してくる子供も現れるかもしれません。たとえよくないことだと思う子供がいたとしても、なかなか「いじめはやめよう」などとは言い出しづらいものです。

SNSいじめやネットいじめは、「同調する空気」が作られやすく、短期間でエスカレートしていきやすいのが特徴です。

子供を被害者・加害者にしないための対策

SNSいじめやネットいじめでは、我が子が被害者になる可能性もあれば、加害者になってしまうことも考えられます。どちらの立場であっても、ネット上でいじめやそれに近いことがあったとき、子供がそのことを話題に出しやすい、相談しやすいような環境を常に作っておくことが重要です。そのためには保護者が日頃から子供とコミュニケーションを取り、信頼関係を築いておくことが大切です。友達やきょうだいになら話しやすいという子供もいるので、そうしたチャンネルも幅広く確保しておくべきでしょう。

物理的な対策もあります。子供が使用するスマホのデータ通信量や利用状況を気にかけて把握していれば、ささいな変化に気づきやすくなります。また、スマホを使う時間帯を制限し、夜間は使用禁止にするのも効果的です。深夜まで自由にスマホが使えると、加害者の場合はヒートアップしやすく、被害者の場合は傷ついたり思いつめたりと過敏に反応しやすくなるとされています。

こうした対策のためには、子供のスマホ利用を保護者がモニタリングして制限を加えられるペアレンタルコントロール機能が役立ちます。たとえばトーンモバイルのスマホでは「TONEファミリー」というオプションを利用すれば、子供のスマホの利用状況の確認、スマホやアプリの利用可能時間帯の設定などが行なえます。

SNSいじめ(ネットいじめ)被害に遭ったときの対処法

以上のことに気をつけていても、SNSいじめやネットいじめの被害者となってしまったときはどのように対処すればよいのでしょうか。

子供の悪口や誹謗中傷の書き込みを見たときは、必ずスクリーンショットを取るなどして証拠を集めておきましょう。加害者のアカウント名やIDも記録しておきます。それをもとにSNSなどの運営会社に連絡し、違反報告や削除依頼を出してください。

いじめや誹謗中傷の内容が深刻なものだと感じた場合は、学校や警察に相談すべきです。必要であればしかるべき対応をしてもらえるでしょう。

SNSいじめやネットいじめは子供たちの身近にある、とてもシリアスな問題です。子供が被害者・加害者にならないために、しっかりとした対策を行っていきましょう。